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zoom RSS 民間日本人から見た日米地位協定とその問題

<<   作成日時 : 2017/08/13 22:48   >>

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日米地位協定とその問題

独立国家内に外国軍隊が駐留し続けるには、両国間で軍隊駐留に関する条約が結ばれている。その一例が、日米地位協定である。地位協定では、基地の提供と使用、米軍人の犯罪や裁判権、損害賠償責任、駐留経費など、さまざまな事項が定められている。ところが、米軍は地位協定や地位協定の細則を定める日米合同委員会の合意を身勝手に運用し、無視することがある。米軍人の殺人、婦女暴行などの凶悪犯罪は米軍に無視や拒否されることがしばしばある。

日米地位協定とは

 日米安全保障条約第6条では、米軍基地を日本に置くことを認めている。これに伴って、日米両政府は1960年に、在日米軍の法律上の立場と、基地の設置や使用に関する原則を定めた。それが地位協定である。地位協定は全部で28条からなっている。

 地位協定での在日米軍の法律上の立場に関する条文は米国の憲法に従うと規定している。これは第17条、第18条などに書いてある。また、米軍基地に関する条文は米国政府の軍事戦略を反映しなければならないと規定している。これは第2条、第3条などに書いてある。

つまり、地位協定にとっては、日本の法律は原則的に適用されない。言い換えれば、地位協定が在日米軍の法的地位を定めているとはいえ、在日米軍の行為に対し、日本の法律は原則、適用されないということである。だから、沖縄県警が2004年8月13日に沖縄県の沖縄国際大学構内に墜落した米軍ヘリコプターを捜査することは米軍に拒否された。米国側が拒否した理由として「日本は米軍の財産について、捜索、差し押さえ、また検証を行う権利を持っていない」との地位協定合意議事録を用いて日本側の現場検証を拒否したということである。

日米地位協定は不平等

 地位協定は1951年に旧日米安保条約とともに日米間で結ばれた旧行政協定の内容を受け継いでいる。つまり、第2次世界大戦後の日本は米軍の占領下にあるので、その力関係が旧行政協定に表れ、地位協定に引き継がれたわけである。同様に米国は北大西洋条約機構(NATO)諸国、韓国などとも、日米地位協定と同じような協定を結んでいる。しかし、ドイツのボン補足協定は、駐留米軍にドイツの法律を適用しており、なお3回も改正されている。

日本国民の意思が反映されていない

 地位協定の第2条によると、米軍への基地提供は、日米両国政府の代表が出席する合同委員会で決定するとしている。つまり、委員会で合意すれば、日本全国のどこにでも基地を置けることができる。これはいわゆる「全土基地方式」である。この合意は日本の国会の承認も必要がない。だから、日本国民の意思が反映されない仕組みと言えるであろう。現実に、沖縄県では、米軍による直接統治時代の施設などが、日本への施政権返還(1972年)後も、そのまま維持されている。

ドラム缶1800本の土壌汚染

 地位協定の第3条と第4条によると、基地を管理、運営する権利は米国側にあるという。そのため、日本の土地であるにもかかわらず、県や市町村などが基地内を調査しようとしても、なかなか許可されない。沖縄県恩納村の基地の跡地からは、有害なポリ塩化ビフェニール(PCB)を含む汚泥(ドラム缶1800本分)が見つかったけれども、立ち入り調査は拒否されている。それだけでなく、地位協定によると、米国側は日本に基地を返す時に、借りる前の状態に戻す必要はない。つまり、日本に返す時に何かあってもすべて日本側の出費で元に戻さなければならない。

起訴まで身柄を引き渡さなくてもいい

 地位協定の第17条に次のように規定している、「米兵が基地の外で起した犯罪について、公務外であれば裁く権利は日本側にある。ただ米側が被疑者を確保した場合、日本側が起訴するまで被疑者を引き渡さなくてもいい」。この点は1995年の日米合同委員会の合意により、凶悪犯罪などは引渡し可能となり、一歩前進している。さらに2004年4月に引渡しの対象が拡大された。


慰謝料と言っても自己責任?

 地協定第18条によると、米兵が起した事件、事故の損害賠償は、公務外であれば、加害者個人の責任となるので、日本政府も米国政府も責任を負わない。ただ、米側が慰謝料を申し出る場合もある。その際、慰謝料が低く抑えられる可能性もある。そこで被害者は裁判で争うこともできるが、加害者が日本以外に勤務替えしていたり、支払能力が不足しているなど問題が起きている。

問題はまだたくさんある

 地位協定第25条によると、地位協定について話し合うのは日米合同委員会である。しかし、委員会の情報公開については十分とは言えない。米側の強い主張により情報非公開の場合はよくある。

 地位協定第9条によると、米兵の出入国について、日本の法律は適用されない。米兵が日本に入国或いは日本を出国する際、身分証明書だけ所持すればいい。

 地位協定第5条によると、米軍は日本の港湾、飛行場、高速道路などを無料で使える。だから、今後、第5条を根拠とする米軍の施設使用が増えるのではないかと心配する声もある。

 地位協定代13条によると、米兵への課税は基本的に免除されている。ただ、課される税金もある。とはいえ、米兵らが支払う自動車税は優遇されている。

 地位協定第10条によると、米兵らが自動車を運転する際、米軍の免許証は必要であるが、日本の免許証は必要がない。

 地位協定第24条によると、基地は日本政府が提供するが、維持費は米側が負担することになっている。しかし、実際には、日本政府が米軍基地の光熱費や従業員の人件費を「思いやり予算」という形で支出している。また、これは日米間の特別協定により原則化されている。2003年度は日本政府が負担した米軍基地のこのような費用はなんと2460億円であった。約1億3000万人の日本国民全体で割ると、日本国民1人当りで約2000円を負担している。もちろん、負担はそれだけではない。基地の地主へ支払うお金などを含めると、日本政府の負担費用は何と6600億円余りになる。


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