IMF世界経済の安定性の促進に向けたIMFの取り組み2016年9月30日
世界経済の安定性の促進に向けたIMFの取り組み
2016年9月30日
国際通貨基金(IMF)は、 安定性を促し危機への脆弱性を軽減するとともに持続的成長と高い生活水準を促進する、経済・金融部門政策で加盟国に助言を行います。さらに、国際通貨制度や国際金融システムの健全性に影響する、世界経済の潮流や動向を監視するとともに、各国の政策の地域的或いは国際的影響に関する加盟国間の対話を促します。こうした「サーベイランス」活動に加え、IMFは加盟国の制度的能力の強化に資する技術支援を行うとともに、国際収支上の危機に直面した際、加盟国による調整を促すための資金を準備します。
世界経済の安定性が何故重要なのか。
経済の安定性の促進は、経済や金融の危機や、経済活動の著しい変化、高インフレ、外国為替や金融市場の過剰なボラティリティを回避するための方法の一つです。不安定性は、不確実性を高め、投資意欲の減退を引き起こし、経済成長を妨げ、さらに生活水準を損ないます。ダイナミックな市場経済は、ある程度のボラティリティと漸次的な構造的変化を必然的に内包しています。生産性と雇用の拡大、そして持続可能な成長を通した生活水準を改善させる経済の力を損なうことなく自国そして他の国や地域の不安定性を最小化することが、政策当局の課題だといえます。
経済と金融の安定性は、一国のみならず多国間レベルの問題でもあります。最近の金融危機が示すように、各国・地域の相互連関性が一段と高まっています。脆弱性は、部門や国境を越えより容易に拡大する可能性があります。
IMFの役割
IMFは、サーベイランス(政策監視)、技術支援、および融資という主な機能を通し、健全かつ適切な政策の実施で加盟国を支援しています。
サーベイランス: IMFに加盟した全ての国は、国際社会による経済政策と金融部門政策の精査を受けるという義務に同意しています。IMFは国際通貨制度の監視とともに、加盟188カ国の経済・金融の情勢、さらにはその政策をモニターする責務及び権限を有しています。このサーベイランスとして知られるプロセスは、世界レベル、国・地域レベルで行われます。IMFは、加盟国の政策を評価し、その国内や国際収支上の安定性に及ぼしかねないリスクを分析することで、加盟国の国内政策が自国の安定性を促進するかを検証します。また必要な政策調整についても助言します。さらに、加盟国の政策が国内の安定性を促進する一方で世界経済の安定性にマイナスの影響を及ぼす可能性がある場合、代替政策も提案します。
A-加盟国との協議
IMFは、加盟国の経済を通常年に一度行われる全加盟国を対象とした定期協議を通しモニタリングしています。経済と金融の状況および政策についてIMFスタッフは、加盟国当局に加え、多くの場合、民間部門、労働組合、学術界、市民社会の代表とも意見交換を行います。IMFのスタッフは、リスクと脆弱性の検証を行い、財政、金融、金融部門、および為替レート政策の、加盟国の国内および国際収支、そして世界の安定性への影響を評価します。IMFは、 加盟国との経験を活かし、マクロ経済や金融、国際収支の安定性の促進に向けた政策について助言を行います。
このような協議の枠組みはIMF協定第4 条そして「統合されたサーベイランス決定」に定められています。また、以下のような加盟国全体を対象としたイニシアティブの内容が、協議に反映されます。
•加盟国の危機に対する脆弱性の体系的な評価 のための作業
•金融セクター評価プログラムでは、各国の金融部門の評価を行うとともに、リスクや脆弱性への政策対応の組み立てを支えます。
•基準と規範のイニシアティブは、世界銀行や他の組織との合同のイニシアティブで、様々な政策分野において、国際的に認められた基準とグッド・プラクティス(良い慣行)の規範の遵守状況を評価します。
B-より広範に状況を監視する
IMFは、世界および地域レベルの 情勢も密接にモニタリングします。
世界経済見通し、地域に関する報告書、財政モニター、および国際金融安定性報告書といった、 IMFの定期報告書は、世界・地域レベルのマクロ経済や金融の状況を分析しています。IMFは、その加盟国が世界に広がっていることから、加盟国の共通の懸念事項について多国間協議を促進するとともに、安定性促進のために必要な諸政策に関する理解の共有を進めるうえで適したポジションにあります。こういったなか、IMFは20カ国・地域先進及び新興市場国・地域グループと連携し、G20各国の政策枠組みと、世界経済の均衡ある持続的な成長との整合性の評価を行っています。
世界危機を踏まえ、IMFはサーベイランスのマンデートのレビューを行いました。加盟国内での或いは国境を越える金融部門のサーベイランスを向上させ、(たとえば「世界経済見通し」の波及効果に関する章を設けるなど)マクロ経済と金融の動向の相互連関性に対する理解の深化を図るとともに、これらに関する議論を広げるべく複数の改革を導入しました。 また、IMFは、持続的かつ包摂的な成長の促進に取り組む加盟国を支援するため、マクロ経済に重要な構造改革の分析を強化しました。
データ: 金融危機を踏まえ、IMFは加盟国や金融安定理事会をはじめとする他の組織と協力し、世界の安定性に重要なデータのギャップの解決に努めています
技術支援: IMFは、健全な経済政策の策定および実施能力の強化において、加盟国を支援しています。財政、金融、為替レート政策、金融システムの規制と監督、統計システムや法的枠組みなど、中核的な専門知識分野で助言や研修を行っています。
融資:最善の経済政策をもってしても、不安定性や危機を完全に根絶・回避することは不可能です。加盟国が国際収支上の危機に陥った場合、IMFは金融支援を行い、根底的なマクロ経済上の問題を是正し、国内そして世界の経済の混乱を抑制するとともに、信認、安定性、成長の回復に資する政策プログラムを支えることができます。IMFは、経済のファンダメンタルズが健全な国に対し、危機予防の観点から予防的な信用枠も提供しています。
2016年9月30日
国際通貨基金(IMF)は、 安定性を促し危機への脆弱性を軽減するとともに持続的成長と高い生活水準を促進する、経済・金融部門政策で加盟国に助言を行います。さらに、国際通貨制度や国際金融システムの健全性に影響する、世界経済の潮流や動向を監視するとともに、各国の政策の地域的或いは国際的影響に関する加盟国間の対話を促します。こうした「サーベイランス」活動に加え、IMFは加盟国の制度的能力の強化に資する技術支援を行うとともに、国際収支上の危機に直面した際、加盟国による調整を促すための資金を準備します。
世界経済の安定性が何故重要なのか。
経済の安定性の促進は、経済や金融の危機や、経済活動の著しい変化、高インフレ、外国為替や金融市場の過剰なボラティリティを回避するための方法の一つです。不安定性は、不確実性を高め、投資意欲の減退を引き起こし、経済成長を妨げ、さらに生活水準を損ないます。ダイナミックな市場経済は、ある程度のボラティリティと漸次的な構造的変化を必然的に内包しています。生産性と雇用の拡大、そして持続可能な成長を通した生活水準を改善させる経済の力を損なうことなく自国そして他の国や地域の不安定性を最小化することが、政策当局の課題だといえます。
経済と金融の安定性は、一国のみならず多国間レベルの問題でもあります。最近の金融危機が示すように、各国・地域の相互連関性が一段と高まっています。脆弱性は、部門や国境を越えより容易に拡大する可能性があります。
IMFの役割
IMFは、サーベイランス(政策監視)、技術支援、および融資という主な機能を通し、健全かつ適切な政策の実施で加盟国を支援しています。
サーベイランス: IMFに加盟した全ての国は、国際社会による経済政策と金融部門政策の精査を受けるという義務に同意しています。IMFは国際通貨制度の監視とともに、加盟188カ国の経済・金融の情勢、さらにはその政策をモニターする責務及び権限を有しています。このサーベイランスとして知られるプロセスは、世界レベル、国・地域レベルで行われます。IMFは、加盟国の政策を評価し、その国内や国際収支上の安定性に及ぼしかねないリスクを分析することで、加盟国の国内政策が自国の安定性を促進するかを検証します。また必要な政策調整についても助言します。さらに、加盟国の政策が国内の安定性を促進する一方で世界経済の安定性にマイナスの影響を及ぼす可能性がある場合、代替政策も提案します。
A-加盟国との協議
IMFは、加盟国の経済を通常年に一度行われる全加盟国を対象とした定期協議を通しモニタリングしています。経済と金融の状況および政策についてIMFスタッフは、加盟国当局に加え、多くの場合、民間部門、労働組合、学術界、市民社会の代表とも意見交換を行います。IMFのスタッフは、リスクと脆弱性の検証を行い、財政、金融、金融部門、および為替レート政策の、加盟国の国内および国際収支、そして世界の安定性への影響を評価します。IMFは、 加盟国との経験を活かし、マクロ経済や金融、国際収支の安定性の促進に向けた政策について助言を行います。
このような協議の枠組みはIMF協定第4 条そして「統合されたサーベイランス決定」に定められています。また、以下のような加盟国全体を対象としたイニシアティブの内容が、協議に反映されます。
•加盟国の危機に対する脆弱性の体系的な評価 のための作業
•金融セクター評価プログラムでは、各国の金融部門の評価を行うとともに、リスクや脆弱性への政策対応の組み立てを支えます。
•基準と規範のイニシアティブは、世界銀行や他の組織との合同のイニシアティブで、様々な政策分野において、国際的に認められた基準とグッド・プラクティス(良い慣行)の規範の遵守状況を評価します。
B-より広範に状況を監視する
IMFは、世界および地域レベルの 情勢も密接にモニタリングします。
世界経済見通し、地域に関する報告書、財政モニター、および国際金融安定性報告書といった、 IMFの定期報告書は、世界・地域レベルのマクロ経済や金融の状況を分析しています。IMFは、その加盟国が世界に広がっていることから、加盟国の共通の懸念事項について多国間協議を促進するとともに、安定性促進のために必要な諸政策に関する理解の共有を進めるうえで適したポジションにあります。こういったなか、IMFは20カ国・地域先進及び新興市場国・地域グループと連携し、G20各国の政策枠組みと、世界経済の均衡ある持続的な成長との整合性の評価を行っています。
世界危機を踏まえ、IMFはサーベイランスのマンデートのレビューを行いました。加盟国内での或いは国境を越える金融部門のサーベイランスを向上させ、(たとえば「世界経済見通し」の波及効果に関する章を設けるなど)マクロ経済と金融の動向の相互連関性に対する理解の深化を図るとともに、これらに関する議論を広げるべく複数の改革を導入しました。 また、IMFは、持続的かつ包摂的な成長の促進に取り組む加盟国を支援するため、マクロ経済に重要な構造改革の分析を強化しました。
データ: 金融危機を踏まえ、IMFは加盟国や金融安定理事会をはじめとする他の組織と協力し、世界の安定性に重要なデータのギャップの解決に努めています
技術支援: IMFは、健全な経済政策の策定および実施能力の強化において、加盟国を支援しています。財政、金融、為替レート政策、金融システムの規制と監督、統計システムや法的枠組みなど、中核的な専門知識分野で助言や研修を行っています。
融資:最善の経済政策をもってしても、不安定性や危機を完全に根絶・回避することは不可能です。加盟国が国際収支上の危機に陥った場合、IMFは金融支援を行い、根底的なマクロ経済上の問題を是正し、国内そして世界の経済の混乱を抑制するとともに、信認、安定性、成長の回復に資する政策プログラムを支えることができます。IMFは、経済のファンダメンタルズが健全な国に対し、危機予防の観点から予防的な信用枠も提供しています。
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