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<<   作成日時 : 2018/11/08 18:45   >>

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年金支給開始年齢「68歳」なら「65歳引き上げ」時の比ではない深刻さ

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2018年10月5日 15:00

年金支給開始年齢が「68歳」に引き上げられたらどうなるか

「平成最後の年」となる来年は、5年に1度の年金制度見直し(財政検証)がある。去る7月30日、財政検証に向け新たな年金制度を議論している社会保障審議会の年金部会に、厚労省年金局が『諸外国の年金制度の動向について』と題する資料を提出した。

 その冒頭には、「給付の十分性」と「制度の持続可能性」の矛盾が先進諸国に共通する年金制度の課題だと大きな図で示され、解決策の第1番目に〈支給開始年齢の引き上げ〉が挙げられている。

 さらに財務省が財政制度審議会に提出した資料(2018年4月)では、『より望ましい年金制度への改革に向けた視点』として支給開始年齢の「68歳への引き上げ」を例示したうえで、2035年には団塊世代の次に人口が多い団塊ジュニアが65歳になることを指摘し、こう提案している。

〈それまでに支給開始年齢を更に引き上げるべきではないか〉

 その先には「70歳支給」が待ち受けている。

 政府の年金支給開始年齢の引き上げは、いつも、定年延長に先立って行なわれる。デフレ不況のさなかに決められた前回の65歳への引き上げの際は、60歳定年から支給開始までの「5年間の年金空白」が大混乱を起こした。年金をあてにして長期の住宅ローンを組んでいた人々は、金融機関から「年金がもらえなければ払えないでしょう」と返済期間短縮を迫られ、毎月の返済額がハネ上がってローン地獄に陥る者が続出した。

 支給開始年齢の5歳引き上げでサラリーマン1人あたりざっと1000万円の年金を失ったのだから当然の結果だった。

 68歳への引き上げの深刻さはその比ではない。

 支給総額が数百万円減らされるうえに、自力で稼ぐ手段は限られる。政府は企業に65歳までの雇用延長を義務づけたものの、再雇用で働く社員の半数以上は非正規だ。給料は現役時代より大きく下がっている。しかも体力的にも「65歳まで働く」と「68歳、70歳まで働く」では負担が明らかに違う。5年間の年金空白を食いつなぐのがやっとの実情なのだ。

 65歳以上の高齢者となると就業率は男性が約32%。非正規労働者の比率も4分の3に達し、老老介護をしながら働いている人も50万人にのぼる(総務省調査)。

 厚労省がこの現実を知らないわけがない。前述の年金局提出資料には、「支給開始年齢引き上げ」とは別の年金問題解決策として、低所得者層に対する〈公的年金給付の削減を補完する私的年金の奨励〉が挙げられている。

 無茶苦茶な論理だ。低所得者に民間の私的年金を掛ける余裕があるとは思えない。だからこその公的年金だ。それを“低所得者は私的年金でなんとかしろ”というのだから、公的年金は社会のセーフティネットの役割を放棄したに等しい。

※週刊ポスト2018年10月12・19日号

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